ブログ
7.122016
『どうする 介護のグローバル化』 * 外国人介護人財の受け入れを考える研修 *
特養喜楽苑施設長 浦岡です。
今回は、去る7月3日(日)、福岡市で開催された本題研修会を報告させて頂きたいと思います。
本題だけ見るとピンとこない人も多いかと思いますが、つまりは、フィリピン人やインドネシア人など、外国人介護人財の受け入れを考える研修会なのです。
私がなぜ、このような研修会に参加しようと思ったのかといいますと、正直、「この先、介護人財不足は更に深刻化する。今の段階から外国人介護人財の受け入れノウハウや、メリット・デメリットを、少しでも学んでおこう。」という動機でした。
つまり、「介護職員不足に備え、外国人介護職員の雇用を検討する。」です。
しかし、研修を終えると、「外国人介護職員が必要だから雇用したい」「一緒に働いてみたい」という考えに変わっていました。
どうしてそのような考えに至ったのかを、これから説明させて頂きたいと思います。
研修内容は、主に「EPA研修生と技能実習生等、外国人介護士育成の現状と課題」と「外国人介護職員の介護現場体験談」であったのですが、ここでは後者を取り上げ、私が印象に残った体験談(意見)を羅列してみたいと思います。
【介護福祉士養成校留学生Aさん】
「介護実習先で介護指導を受けたとき、指導職員から、『介護は、きれいな仕事ではないのです。』と言われました。しかし私は、「介護は人の体をきれいにする仕事である。」と思った。「人の命を預かる仕事。これからも一生懸命、頑張りたい。」
【EPA介護福祉士Bさん】
「日本の施設で生活しているお年寄りは自由がない。例えば、老健では必ずリハビリをしなければならない。特養では行事やレクリエーションに参加させられる。本当は殆どの人が自分の家で、自由に生活したいのに。せめて家庭の雰囲気を作るよう心掛けて。」
【一般介護福祉士Cさん】
「私は介護という仕事がが大好きです。なぜなら、利用者様から『おかげ様です。』と感謝され、とてもありがたい気持ちになるから。私はいつも、『いいえ、私の方がいろいろ教わっています。』と答えている。」
「コミュニケーションは言葉が大事ではない。相手の立場になり、表情や仕草から思いを感じ取ること。日本の介護職員は、コミュニケーションは二の次、忙しく動きすぎる。介護はベストではなく、ベターで良いので、もっと利用者と関わりを持つべき。」
【一般介護福祉士/社会福祉士Dさん】
「介護職7年目。私を受け入れてくれるに当たり、施設側から大変気を配った頂いた。だから一生懸命働き、施設に貢献しなければいけない。『外国人だからできなくて仕方ない』と自分が思うことは甘え。日本人と同じ賃金を頂くのであれば、同じレベルの仕事をしなければ。資格も取らなければスタート位置にも立てない。」
・・・皆さんは、どのような感想を抱いたでしょうか。
その後、、外国人介護職員を6名雇用している特養の理事長からお話があり、「基本的に皆、明るい。周りを明るくしてくれる。性格的にも純粋で素直。そして、高齢者に優しい。常に入居者様に関心を持ち、無視しない。高齢者を敬う気持ちは日本人以上。だから、入居者様に人気がある。」とおっしゃいました。
・・・非常に、納得させられました。
最後に、参加者から、「外国人を受入れるにあたり、施設側にに配慮してもらいたいことはありますか?」という質問に対し、Dさんからこのような回答がありました。
「特別なことは要らない。強いて言えば、私たちが日本のことを知るための努力しているように、受入れ側も、私たちの国のことを知ることが大切だと思う。それが職員同士の話のきっかけになるし、お互いの理解にも繋がると思う。」
・・・私の考え方が、研修前と後で変わった理由、少しはお解り頂いたでしょうか。